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[戦後70年 県北から] 平和の折り鶴 陶板に 三次市三良坂の「願う会」田口会長 8・6追悼式典で展示へ

 広島県三次市三良坂町の三良坂平和を願う会会長を務める田口正行さん(58)が8日、平和記念公園(広島市中区)などに手向けられた折り鶴をたき上げて出た灰を使って、陶板を完成させた。被爆70年に合わせた初の試みで、8月6日に平和を願う会が同町で開く原爆死没者追悼式典で展示する。(野平慧一)

 この日、三良坂コミュニティセンターの敷地内で窯出しをした。陶板は2枚、いずれも約30センチ四方、厚さ約1センチ。灰を粘土に混ぜて焼き上げた。1枚は、表面に「恒久平和」の文字を彫り、もう1枚は、うわぐすりで「PEACE」と書いた。文字は、三良坂平和美術館の元泉園子館長(57)がデザインした。

 折り鶴は2013年、同美術館が三次市を通じて約6万羽を広島市から譲り受けていた。平和を願う会が同年8月、町内に届いた別の折り鶴と合わせて、近くのグラウンドで供養のため、たき上げた。一部の灰を陶板の制作に利用した。

 「平和の願いが込められた折り鶴を再び形にしたかった」と三次市原爆被害者協議会事務局長で被爆2世でもある田口さん。今後も作り続けるという。

 陶板は、8月6日の式典で、「母と子―わたす像」の前の献花台に並べる。今後、町内の公共施設での展示も検討している。

(2015年7月9日朝刊掲載)

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