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旧制二中の悲劇 刻む 広島テレビ 来月1日に番組

 広島テレビは8月1日、学徒動員された1年生321人全員が原爆で亡くなった旧制広島二中(現観音高)をテーマにした被爆70年特別番組「いしぶみ」を全国放送する。遺族の手記を朗読する広島市安佐南区出身の俳優綾瀬はるかさん(30)は「若い世代に原爆の怖さを知ってもらう機会になれば」と願っている。

 番組では、綾瀬さんが生徒の最期の姿や、わが子を捜し歩く家族の様子を語る。同市出身で俳優の故杉村春子さんが出演し、芸術祭優秀賞を受けた「碑(いしぶみ)」(1969年放送)をリメークした。脚本・演出は映画監督の是枝裕和さん。ジャーナリストの池上彰さんが遺族たちに会って思いを聴く場面もある。

 綾瀬さんは「死を受け止めながら、家族に心配をかけないように振る舞う子どもの姿が印象的だった」と話す。広島テレビは「被爆70年の節目に戦争や平和、命の尊さを問い掛けたい」としている。日本テレビ系28局で午後1時半~2時55分に放送する。(山本和明)

(2015年7月10日朝刊掲載)

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