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ブラジルで反核の輪 現地医師会が原爆展 ウェブ会議

■記者 衣川圭

 平和市長会議に近く加盟するブラジル・サンパウロ州ボツカツ市で2日(現地時間1日)、原爆展が始まった。県医師会が協力し現地医師会が主催。開幕式典には、県医師会の碓井静照会長や広島市の松井一実市長が、ウェブ会議システムを通じて参加し、核兵器廃絶に向けた両市の連帯を誓った。

 広島医師会館(西区)と、約100人が出席した会場のボツカツ医師会館をインターネットでつないだ。碓井会長は「ブラジルの人にも原爆の悲惨さを見てほしい。皆で平和構築に取り組むことが重要だ」と呼び掛けた。

 松井市長は「核兵器のない平和な世界をつくる第一歩を」とあいさつ。ボツカツ市のジョアオン・クリイ・ネット市長は震災被害を見舞い、「日本などの都市と一緒に2020年までの核兵器廃絶を目指したい」と述べ、平和市長会議の加盟申請書にサインした。

 ブラジル各地の医師会は昨年8月から、在南米被爆者健診を通じて交流のある県医師会の協力で、原爆資料館(中区)から借りたポスターなどを巡回展示している。この日は、広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長が記念公演し「核兵器は人類史上最も恐ろしい災害をもたらす恐れがある。だが力を合わせれば百パーセント防げる」と強調した。

(2011年8月3日朝刊掲載)

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