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戦後の掃海任務に光 呉 てつのくじら館で資料展

 戦後、日本の海に残された機雷の掃海任務にまつわる資料を集めた特別展が、広島県呉市の海上自衛隊呉史料館てつのくじら館(宝町)で開かれている。戦後70年を記念した企画で、来年3月31日まで。無料。

 2階の掃海フロアの一角に、主に史料館所蔵の文書や地図など計57点を展示している。戦後間もなく、海軍大臣名で各鎮守府に発した「航路啓開命令」をはじめ、敷設機雷の数と地域を記した一覧表や掃海の完了を確かめる試航船の経過報告書といった文書が並ぶ。

 磁気機雷を引きつける棒状の掃海具の実物や、新旧の掃海艇の模型もある。

 太平洋戦争末期、戦火を交えた日米両国はそれぞれ日本近海に機雷を敷設した。計約6万1500個に上るとされ、日本は戦後復興に向けて掃海に全力を挙げる必要があった。復員庁、海上保安庁などと組織を替えながらも、海軍出身者たちが任務に当たった。

 資料の一部を提供した呉市の元海上自衛官細谷吉勝さん(77)は「安全航行ができるのは先人の犠牲と努力があってこそ。埋もれがちな歴史を知ってほしい」と来場を呼び掛けている。火曜休館。(小島正和)

(2015年7月10日朝刊掲載)

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