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バッハ大作を被爆70年にささぐ 鈴木雅明音楽監督のBCJ 広島で27日初公演

 バッハ演奏の第一人者、鈴木雅明(61)が音楽監督を務めるグループ「バッハ・コレギウム・ジャパン」が27日、広島市で初めての公演を開く。被爆70年にささげるのは、最晩年の大作「ミサ曲」。鈴木は「宗派や宗教を超えて平和を希求する。この夏に最もふさわしい音楽」と意気込む。

 ミサ曲はバッハ死没前年の1749年に完成した2時間近い大作。「時代を超える普遍的なものであるとともに、バッハの音楽の集大成でもある」。同グループはバッハ没後250年の2000年に初演。代表的なレパートリーの一つだ。

 華やかな響きや切々としたアリア。神との対話の中で人間のさまざまな思いを表現し「われらに平和を与えたまえ」と祈る言葉で締めくくる。「世俗的なものから解き放ち、心を浄化する。聴く人に平和をもたらしてくれる」

 バッハが拠点としたドイツ・ライプチヒ市から12年、日本人初の「バッハ・メダル」を受けた鈴木。「平和の象徴」と語る広島での公演は偉大な音楽家の命日前日。特別な思いで臨む。

 中区のJMSアステールプラザで午後7時開演。S7千円、A5500円。HOMEイベントセンターTel082(221)7116。(余村泰樹)

(2015年7月11日朝刊掲載)

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