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被爆地の役割とは 広島でセミナー 構想策定委員ら提言

 広島県の「国際平和拠点ひろしま構想」の策定委員たちを講師にした国際セミナーが3日、広島市中区の広島国際会議場であった。委員5人と作業部会メンバー1人の計6人が、核兵器廃絶や平和構築に向けた被爆地の役割をテーマに話した。

 県内の高校生や大学生たち約250人が参加した。核兵器廃絶について阿部信泰元国連事務次長は「包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効が有効。できるだけ早く実現を」と強調。米スタンフォード大のスコット・セーガン教授(安全保障)は「核兵器を持たない国も廃絶に責任を共有する必要がある」と指摘した。

 広島の役割をめぐって、米プリンストン大のジョン・アイケンベリー教授(国際政治)は「多様な人が平和を研究し、情報交換する場所になれる」と述べた。東京大大学院の藤原帰一教授(国際政治)は「悲劇から再生した都市として世界の紛争に目を向けるべきだ」と訴えた。

 湯崎英彦知事と、作業部会メンバーで広島市立大広島平和研究所の水本和実副所長も構想の狙いなどを説明した。策定委は10月、広島市で会合を開き、構想をまとめる予定でいる。(村田拓也)

(2011年8月4日朝刊掲載)

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