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内戦後の地に平和の球音 カープ野村前監督、スリランカで教室 用具も贈り復興支援

 長年の内戦で傷ついたスリランカの復興を野球を通じて支援するため、同国を訪れた広島東洋カープと国際協力機構中国国際センター(JICA中国)の一行が10日、現地で第1回目の野球教室を開いた。前監督野村謙二郎さん(48)が、中部の都市キャンディ近郊で高校生を指導。不足する野球用具も贈った。 (キャンディ発 貞末恭之)

 一行は9日夜に入国。10日、同国最大の都市コロンボの北東約100キロにあるキャンディへ車で移動し、大学にあるホッケーグラウンドを借りて高校生20人と対面。野村さんは指導を始める前、ボール10ダースや捕手用具一式を選手に手渡した。「ヒロシマも大きな戦争が終わって70年、スリランカも最近まで内戦があったと聞いています。スポーツを通じて平和の意味を考えながら練習しましょう」と呼び掛けた。

 断続的に降る雨の中、野村さんはキャッチボールやゴロの捕球姿勢といった基本を教えた。自ら手本を示し、上手な選手には「グッド」と声を掛けていた。約2時間、一緒に体を動かした。  11日もキャンディで指導する。12日は南アジアで最初にできた野球場があるディヤガマで教室を開く。中高生や同国の代表チームを指導する。

 13日には、内戦の傷痕が残る北部へ移動。幼児教育や落花生加工品の製造などを通じて復興に携わる青年海外協力隊員を激励するほか、地雷除去の現場などを見る。16日に帰国する。

(2015年7月11日朝刊掲載)

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