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IAEA幹部、広島訪問 HICAREと意見交換

 国際原子力機関(IAEA)ヒューマンヘルス部長のレティ・チェム博士(59)が3日、広島市を訪れ、1年前に協力協定を交わした放射線被曝(ひばく)者医療国際協力推進協議会(HICARE)と具体的な協力内容について意見交換した。

 広島県庁で記者会見したチェム博士は「IAEAと広島の双方向の研修を進め、こちらは広島の医療機関へ専門家を派遣する。福島第1原発の事故でも両者の連携で放射線量データの検証などの活動ができる」と述べた。

 続いてHICAREを構成する広島大原爆放射線医科学研究所(原医研、南区)を視察。神谷研二所長たちと意見交換した。原医研の専門性を高く評価した上で、広島大の大学院生の受け入れや広島大出身者のIAEAでの雇用なども視野に入れたいと述べた。

 チェム博士は6日まで市内に滞在する予定。広島赤十字・原爆病院(中区)や原爆養護ホーム倉掛のぞみ園(安佐北区)などを訪問するほか、平和記念式典にも参列する。

 IAEAとHICAREは昨年8月、被曝者医療の分野で協力する覚書を締結している。(藤村潤平)

(2011年8月4日朝刊掲載)

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