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被爆の惨禍 写真で切々 米カメラマンが証言集 広島で展示会

 広島・長崎の被爆者や東京大空襲などの被災者の写真と証言をまとめた本を米国人カメラマンが出版した。タイトルは「FROM ABOVE~上空より」。写真15点は広島市西区のカフェ「チアス」で31日まで展示する。

 米国在住の写真家ポーレ・サビアーノさん(37)。2008年から4度来日して51人を取材した。広島では元原爆資料館長の高橋昭博さん(80)、漫画「はだしのゲン」の作者中沢啓治さん(72)たち14人を紹介。7月に87歳で亡くなった語り部の沼田鈴子さんは「命がいかに尊いか。平和がいかに大切か。被爆証言に人生をささげています」と語っている。

 世界各地で戦争被災者の写真を撮り続けるサビアーノさんは「戦争は誰のためにもならないということを、直接学べる時間はわずかしかない。同じ空の下で生きる僕たちで思いを共有できれば」と訴える。B4変型256ページ、8400円。Tel03(5774)7840(コンテンツ・ファクトリー)。(武河隆司)

(2011年8月4日朝刊掲載)

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