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「学ぼうヒロシマ」 平和学習に活用 広島市の伴中3年生 最新データや体験に重み

 広島市立伴中(安佐南区)が、3年生の平和教育で、中国新聞社が作った平和学習新聞「学ぼうヒロシマ」を活用している。市教委のテキストを補う教材と位置付け、生徒の理解を深める効果を期待している。

 7月上旬の3年5組の授業では、津田歩教諭が「学ぼう―」の中から、1月現在の各国の核兵器保有数を示す地図のページを示し、「減ってはいるけれど、まだ計1万5850発の核兵器がある」と指摘した。

 生徒はこの後、被爆証言の記事を読んでいった。それぞれ印象的な部分を蛍光ペンなどでマーク。「平和な社会実現のためにできること」の題で作文を書いた。被爆後に再会できぬまま母を亡くしたことを悔やむ女性の証言を読んだ福永将也君(14)は「原爆は体だけでなく心も傷つけたと思う。互いに理解し合える社会をつくり、平和につなげたい」と書き込んでいた。

 津田教諭は「最新の情報が載っている。被爆者の実体験は重みがあり、訴える力が強い。生徒も真剣だった」と話していた。(谷口裕之)

(2015年7月14日朝刊掲載)

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