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[戦後70年 県北から] 折り鶴再生 灯ろうに活用 平和の心継ぐ 三次市三良坂の美術館

 三次市三良坂町の三良坂平和美術館で、市民たちから募った「平和の灯ろう」のデザインを展示している。広島市中区の平和記念公園の原爆の子の像にささげられた折り鶴を再利用し、貼り絵やちぎり絵で平和を表現した643点が並ぶ。(松本大典)

 原爆ドームの貼り絵に浮かぶ「世界平和」の文字、「みんな空の下」と訴えるカラフルなちぎり絵、丸い色紙に描かれた笑顔のオンパレード…。縦27センチ、横78センチの用紙を飾る力作が、展示室の壁を鮮やかに埋め尽くす。

 同美術館と三次市の呼び掛けで、幼児からお年寄りまでが出品。自らも応募した三次市十日市中の加藤英之さん(81)は「素直な願いをつないでいってほしい」と子どもたちの作品に目を細めていた。

 原爆の子の像の折り鶴を再利用した平和の灯ろう作りは、2012年から4年目。被爆70年を迎えることしは10万4千羽を譲り受けた。募集エリアを広げ、広島市や倉敷市からも作品が寄せられた。

 出品数は減少傾向にあるが、「一つ一つの力の入れようが増している」と元泉園子館長。作品は入場無料で20日まで展示後、灯ろうに仕上げ、8月1日の「平和のつどい」で美術館そばの三良坂平和公園で火をともす。

 小学生以下、中学生、高校生以上の3部門ごとに選ばれた大賞、優秀賞、特別賞は次の通り。

 【大賞】三次小、八次中美術部、デイサービスセンター三次相扶園【優秀賞】千田小(広島市中区)、甲奴中、デイサービスセンターみらさか【特別賞】吉舎小、布野中、医療法人恵和会(倉敷市)

(2015年7月14日朝刊掲載)

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