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原発是非めぐり議論 原水協など 世界大会が開幕 広島

 日本原水協などによる原水爆禁止世界大会の開幕を告げる国際会議が3日、広島市中区の市文化交流会館で始まった。従来通り「核兵器のない平和で公正な世界を」がテーマ。ただ今年は福島第1原発事故を受け、原発の是非やエネルギー政策をめぐる質疑応答が相次いだ。

 25カ国から約250人が参加した。開会総会で広島で被爆した沢田昭二代表理事が「核兵器全面禁止条約の実現と原発からの撤退によって、人類を核エネルギーの悪用と誤用の両方から解放するべきだ」とあいさつ。原爆被爆者と核被害者の連帯を期待した。

 原発からの撤退を政府が決定したドイツから来たドイツ平和協会のマリオン・キュプカー氏は「再生可能エネルギーによる電力供給は工業国にも可能」とし、ドイツがその先例となると強調した。

 原発再開の是非を問う国民投票で9割以上が「反原発」だったイタリアは、物理学者アンジェロ・バラッカ氏が日本政府を「技術大国なのに再生可能エネルギーの比率を増やしていない。技術ではなく政治の問題」と批判した。

 国際会議は5日まで。6日に世界大会を開き、7日から会場を長崎に移す。(金崎由美)

(2011年8月4日朝刊掲載)

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