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福山空襲 惨禍振り返る 防空壕に焼夷弾「火の海。地獄だ」 近藤さん、近大付中福山校で訴え

 福山市佐波町の近大付属広島中福山校は14日、戦後70年の節目に合わせ、福山空襲の証言集会を同校で開いた。1~3年の約430人が、被災した近藤茂久さん(81)=同市古野上町=の話を聞いた。

 近藤さんは当時、霞国民学校(現霞小)6年生だった。自宅にいた時に警報が鳴り、両親や妹たちと近くの防空壕(ごう)に逃げた。だが、その防空壕に焼夷(しょうい)弾が転がってきた。顔にやけどを負いながら必死で外に出て死に物狂いで逃げたという。

 近藤さんは「火の海になり、市民は右往左往した。地獄だ。戦争はむごい。二度と繰り返してはいけない」と力を込めた。3年小島省吾さん(15)は「経験した人の話を聞くことで、当時の様子を想像できた。年下の世代にも伝えたい」と話した。(小林可奈)

(2015年7月15日朝刊掲載)

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