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参列 初の100ヵ国超えへ 被爆70年の8・6式典

 広島市は15日、被爆70年の8月6日に平和記念公園(中区)で営む原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)の概要を発表した。現時点で96カ国と、過去最多を22上回る政府代表が参列を予定しており、最終的に初めて100カ国を超える見通し。被爆の惨状から復興を果たしたヒロシマで、核兵器廃絶への願いを共有し、国内外へ強く発信する場になる。

 式典は、例年通り午前8時から45分間。市は昨年より1多い156カ国と欧州連合(EU)に式典の案内状を送付した。初参列はアフガニスタン、スリランカ、トルクメニスタン、ミクロネシア連邦、モルディブの5カ国。核兵器保有5大国では英国、フランス、ロシアが出席。中国は欠席で、米国は返事が届いていない。

 事実上の保有国ではイスラエルとパキスタンが出席。インドと北朝鮮は返事がない。これまでは2010年の74カ国が最も多かった。市は米国などを含め未回答が18カ国あるといい、「100の大台に届く可能性は高い」とみている。

 安倍晋三首相と岸田文雄外相は出席の方向で調整中。遺族代表は41都道府県から参列し、最高齢89歳、最年少55歳で、平均年齢は71・9歳となる。来賓には市名誉市民のバレリーナ森下洋子さん、宇宙飛行士の野口聡一さんも名を連ねる。

 また、高齢化した被爆者に配慮し、今回から大型テントの設置範囲を広げ、会場の1万1千席のうち9500席を覆う。広島県警は昨年より300人多い約2千人で警備に当たる。(川手寿志)

(2015年7月16日朝刊掲載)

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