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高畑監督 廃案訴え 映画人ら会見 「一線越えてはならない」 安保法案衆院通過

 アニメ映画「火垂るの墓」などを手掛けた高畑勲さん(79)たち映画監督らが16日、東京都内で記者会見し、安全保障関連法案の廃案を訴えた。高畑さんは「絶対に一線を越えてはならない」と声を上げた。

 高畑さんは岡山市で少年時代を過ごし、9歳の時に岡山空襲に遭った。会見では、与党やその支援者について「全面的な賛成ばかりではない」と指摘。戦時中を振り返りながら「大勢に順応し、問題点に異論を唱えられず、ずるずると悪い方へ走ると破局に至る」と警鐘を鳴らした。

 安倍晋三首相が「国民に説明を尽くす」と説明していることには「ナンセンスだ。数に頼ってやれると考えている」と批判した。

 会見には高畑さんをはじめ、監督の降旗康男さんや「映画人九条の会」の高橋邦夫事務局長たち7人が出席。映画関係者による法案反対アピールへの賛同者が16日現在、監督や俳優、脚本家たち436人に上ったことを報告した。

 アピールの呼び掛け人は高畑さんや尾道市出身の映画作家、大林宣彦さんたち10人。大林さんは「とんでもない危機に面している。切羽詰まった状況を自覚しよう」とのメッセージを寄せている。アピール文は今後、首相や自民党などに提出する。(山本和明)

(2015年7月17日朝刊掲載)

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