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[戦後70年 県北から] 西城町被爆者の会が解散 「核廃絶と平和 祈り続けたい」 60年の活動に幕 庄原

 広島県庄原市西城町の被爆者でつくる「西城町原爆被爆者友の会」が16日、解散した。会員の高齢化や減少で、活動の継続が難しくなり、被爆70年を区切りに、約60年間の活動に幕を下ろした。

 同町の市西城保健福祉センター「しあわせ館」であった最後の総会には、会員15人が参加した。竹下敦会長(84)は「昨年度の総会で、もう無理だとの声もあったが70年までは頑張ろうと、ここまでやってこられた」と、時折涙を浮かべながらあいさつした。

 また、竹下会長は本年度の事業報告で、8月6日に広島市である平和記念式典への参列について「会としての最後の行事。多くの方に参加してもらいたい」と呼び掛けた。

 同会は1956年に発足。毎年、平和記念式典に参列し、会員間の親睦を深める交流会なども開いてきた。しかし、発足当初に約450人いた会員は約100人に減少。大半が80歳以上になり、活動を引き継ぐ人材もいないため解散を決めた。

 副会長として活動を支えた下田一三さん(88)は「70年間、精神的にも肉体的にも悩みながら生きてきた。戦争ほど無駄な戦いはない。会がなくなっても、核廃絶と平和を祈り続けたい」と話していた。(山本堅太郎)

(2015年7月17日朝刊掲載)

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