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被爆クスノキ 劇で擬人化 大手町商高生 あす披露 自作曲も

 広島市中区の市立大手町商高の生徒は6日、地元のクスノキの大樹を通して原爆の悲惨さを伝えるオリジナル劇を披露する。劇中に使う2曲を3年生の因幡陽杜さん(17)が作曲し、当日は自ら被爆ピアノを奏でる。

 広島国際会議場である「ひろしま子ども平和議会」の各団体によるパフォーマンスの一つ。7分間の劇で平和の尊さを訴える。

 物語は、原爆で焼失した旧国泰寺境内にあった樹齢数百年のクスノキを擬人化。木陰で休む母子らが閃光(せんこう)を浴び、瞬時に全てを奪われた憤りを語る。

 文芸部員を中心とした11人が6月末から準備してきた。教諭と生徒で練った脚本に合わせ、ピアノを学ぶ因幡さんが作曲。低音でクスノキの存在感や広島の街が炎に包まれる惨状を表現した。

 当日は、爆心地から約2キロの西区の小学校で被爆したピアノを弾く。因幡さんは「人だけでなく植物やピアノも傷つけた原爆の悲惨さを伝えたい」と話している。(滝尾明日香)

(2011年8月5日朝刊掲載)

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