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[戦後70年 継承しまね] 江津 25の忠魂碑を紹介 日清戦争以降の戦没者追悼 

 島根県江津市内にある日清・日露戦争、太平洋戦争の戦没者を祭った全25カ所の忠魂碑を、市民有志でつくる江津市文化財研究会(片岡尊宏会長)がまとめた。戦後70年に合わせ「犠牲者の思いを忘れない」と2年半かけて調べた。(松本輝)

 25の忠魂碑は、最も古いのは日露戦争が始まった1904年に建てられ、新しいのは2003年だった。41年の金属類回収令後、石見焼で造った碑もあったという。

 刻まれた戦没者の名前や戦地、建立年月日などを忠魂碑の写真付きで、同会が2、3年に1度発行する機関誌「石見潟」の今春発行号に、12ページにわたって紹介した。

 同市渡津町の県道沿いにある高さ約2・1メートルの碑は、碑文から1905年に子孫が建てたとみられる。片岡会長(75)は「普段は気付きにくいが、ここにも確かに戦没者の魂が眠っている」と碑文を見詰める。

 70年ごろから活動する同会でも約100人の会員の高齢化が進み、戦争の話をする機会が少なくなった。片岡会長が呼び掛け、12年8月から調査。読み取れない碑文は住民に聞き、文献を読み、1カ所ずつ歴史をひもとく作業を続けた。

 片岡会長は「忠魂碑に刻まれた人だけが犠牲者ではない。悲惨な歴史に思いをはせ、平和について考えてほしい」と強調する。

 機関誌「石見潟」は税込み1500円で550部発行。同会事務局の江津市図書館Tel0855(52)0551。

(2015年7月18日朝刊掲載)

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