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ヒロシマ あの日を思う

 原爆の日の8月6日を前に、広島市で4日、被爆体験を聞く行事や犠牲者への慰霊が相次いだ。

被爆の路面電車 中高生ら体験刻む

 被爆した路面電車に乗って被爆体験を聞く会には、小中高生や保護者たち約70人が参加した。教職員たちでつくる広島平和教育研究所の主催。

 2班に分かれ原爆ドーム前電停(中区)を出発。1942年製造で南区宇品付近を走行中に被爆した652号車には、江田島市沖美町の下原隆資さん(81)が同乗して証言した。

 当時、広島二中(現観音高)3年だった下原さんは校舎内で被爆した。顔に残る傷痕を示しながら、被爆直後の町の惨状を語り、「みなさんに核兵器廃絶の訴えを引き継いでほしい」と訴えた。

 佐伯区の彩が丘小3年田丸萌々子さん(9)は「家族や友達を一瞬にして奪う原爆は許せない」と話していた。


「教師と子どもの碑」 慰霊祭に850人

 中区の平和記念公園南側の平和大通り緑地帯にある「原爆犠牲国民学校教師と子どもの碑」前では、原爆の犠牲になった広島の子どもや教職員の慰霊祭が営まれた。

 市内の小中70校の児童生徒、遺族たち約850人が参列。各校で子どもたちが折った鶴をささげた。教え子を抱えた女性教師のブロンズ像の碑は1971年に建立。慰霊祭はその前年から毎年開かれている。(胡子洋、田中美千子)

(2011年8月5日朝刊掲載)

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