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核廃絶へ展望探る あす広島で国際シンポ

 国際シンポジウム「被爆70年―核兵器廃絶と被爆体験の継承を考える」が20日午後1時から、広島市中区中島町の広島国際会議場で開かれる。広島市立大と長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)、中国新聞社の主催。

 原爆投下70年の節目に開かれた5年に1度の核拡散防止条約(NPT)再検討会議は決裂し、最終文書は採択されなかった。しかし非人道性を訴えて法的禁止への努力を誓う文書「人道の誓約」には、加盟国の半数を超す107カ国が賛同。核兵器廃絶に向けた土台を築いたともいえる。

 シンポでは、再検討会議の到達点や評価、被爆者の心理について、日本軍縮学会初代会長の黒沢満・大阪女学院大大学院教授と、広島市出身で米国在住の心理学者、美甘章子さんが基調講演。中国新聞社報道部の田中美千子記者や、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の川崎哲・国際運営委員らの報告も踏まえ、核廃絶への展望を探る。

 被爆体験の継承については、初めて再検討会議の取材などをした中国新聞ジュニアライターや、RECNAの中村桂子准教授らが活動を紹介。広島市立大広島平和研究所の桐谷多恵子講師は、研究者の視点から継承の課題を指摘する。パネル討議では、黒沢氏や美甘氏、川崎氏ら5人が、核廃絶と被爆体験継承の二つのテーマで議論を深める。

 マーシャル諸島のトニー・デブルム外相は、都合で参加できなくなった。無料。事前申し込み不要。

(2015年7月19日朝刊掲載)

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