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ろう者の被爆体験伝える 広島市東区で「残夏」公演

 ろう者の被爆体験と家族の絆を描いた創作劇「残夏(ざんげ)―1945―」の公演が18日、広島市東区民文化センターであった。差別や偏見にさらされたろう者の過酷な体験を手話を交えて演じ、約470人が見入った。

 実話を基にした劇は、広島の女性雑誌記者が取材を通じ、被爆ろう者の母との絆を取り戻す物語。聴覚障害者5人を含む俳優9人が、周囲との交流が断たれ、被爆20年後に初めて原爆の詳しい被害などを知った被爆ろう者たちを熱演した。

 手話を活用する劇団「サインアートプロジェクト.アジアン」(東京)が被爆の悲惨さを知ってもらおうと制作。真庭市から訪れた看護師井田睦子さん(56)は「助け合いの大切さを感じた」と話していた。(長久豪佑)

(2015年7月19日朝刊掲載)

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