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「黒い雨」 舞台で訴え 広島市中区 苦しみ 踊りや音楽で

 原爆で「黒い雨」の被害を受けた人の人生を踊りや音楽で表現する舞台が19日、広島市中区のJMSアステールプラザであった。国内外のパフォーマー9人の表現力に、約120人が見入った。

 9人は、被害者の証言を直接聞き取るなどして舞台の構成を検討。雨を浴びた時やその後の苦しみ、そこから立ち上がる姿を、傘を使った踊りや顔に布を巻いての動き、女性の体に花を生ける表現方法などで訴えた。

 19日まで中区であった日本平和学会春季研究大会の一環。黒い雨被害に対する国の援護拡大を求める集団訴訟の動きがある中、広島市立大の湯浅正恵教授が企画した。

 広島市西区の高校教員向井均さん(72)は「黒い雨を浴び、70年たった今も苦しんでいる人たちの姿が想像でき、心を揺さぶられた」と話していた。(堀晋也)

(2015年7月20日朝刊掲載)

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