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原爆劇 舟入一つに 183人疎開の国民学校モデル 高校卒業生と小学生「共演」 広島市中区

 第2次世界大戦中の70年前、舟入国民学校(現広島市中区)の子どもたちが体験した学童疎開をテーマにした平和劇「おててつないでみな帰ろ」に、後輩に当たる舟入小児童が声と歌で「出演」する。舟入高演劇部卒業生たちでつくる「劇団F」が被爆70年の節目を刻む8月13日の公演に向け、同小の4、6年が録音に挑んだ。(二井理江)

 児童183人が今の安佐北区と東区に集団で疎開した舟入国民学校をモデルにした作品。「少国民」として頑張ろうとする一方、親と離れて暮らす寂しさに加え、原爆で亡くなったり孤児になったりした子どもたちを描いている。

 当時の子どもたちについて考える機会になれば、と劇団Fのメンバーが、舟入小に協力を依頼。希望者が多く、抽選で選ばれた6年生11人が、疎開児童などの子役として声で出演する。同小での録音では、劇団Fの団員から「もう少し急ぎめに」「もっと声を張ってもいいよ」などの助言を受けながら、約1時間半かけて完成させた。

 歌は4年生27人が担当。疎開児童向けに作られた「父母のこえ」や、童謡「夕焼小焼」「お山の杉の子」を元気よく歌って録音した。

 母親を待つ疎開児童を演じた6年末益明拓(あきひろ)君(12)は「今は食べる物も家族に会うのも当たり前だけど、70年前は違った。自分だったら最後まで我慢できないと思う。みんなと仲良くして戦争のない世の中がいい、という気持ちをせりふに込めた」と話していた。

 劇団Fの演出補佐で大学3年の神垣真歩さん(21)は「子どもたちが積極的に参加してくれたのがうれしい。声や歌を入れ、さらにいい劇にしたい」と話す。西区横川新町の西区民文化センターで午後1、4時から。999円、高校生以下500円。吉田さんTel090(3633)6188。

学童疎開
 空襲を逃れるため、都市部に住んでいた国民学校(現小学校)3~6年が、学校ごとに周辺部の寺や集会所に移り住んだ。1944年6月に「学童疎開促進要綱」が閣議決定され、45年4月から広島市内の学校も山村に疎開。広島原爆戦災誌によると、市内41校のうち36校計約9千人が佐伯郡(現広島市佐伯区など)や双三郡(現三次市)などに集団疎開した。原爆投下で自らは助かったものの、肉親を亡くして孤児になった人もいた。

(2015年7月20日朝刊掲載)

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