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社説・コラム

伊藤唯真・浄土門主に平和への思い聞く 「兵戈無用」心に刻んで

 広島県内の浄土宗広島教区(75寺)は7日、ヒロシマ原爆忌・戦没者慰霊70周年大法要を広島市中区で営んだ。導師を務めた浄土宗(総本山・知恩院、京都市東山区)トップの伊藤唯真・浄土門主(84)に平和への思いを聞いた。(桜井邦彦)

 戦争の憎しみを超えていくため宗教心を大切にし、理解、寛容、慈愛の気持ちを持ちたい。被害者と加害者の立場を超えて、対立し合う者同士が一緒になって憎しみが消えていくよう努力すべきだ。「共生」「和合」の心を、現代人の乾いた心の中に注ぎ込みたい。

 科学の発達は大事だが、核の力は人の心によってプラスにもマイナスにもなる。兵も武器も一切無用という、無量寿経の「兵戈(ひょうが)無用」の4文字を心に刻むべきだ。悲惨さを語り継ぎ、平和への決意を固めるのはわれわれの責務。「過ちは繰り返さない」ことを心の碑文として持ち続けよう。

(2015年7月20日朝刊掲載)

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