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被爆ピアノ 市民奏でる 筆の里工房でコンサート 広島県熊野

 原爆の惨禍に遭いながら、奇跡的に破壊を免れた被爆ピアノのコンサートが20日、熊野町の筆の里工房であった。同工房で開催中の戦後70年特別企画展の一環。約200人が聞き入った=写真。

 コンサートには、同町や広島市の3~56歳の50人が出演。ショパンの「幻想即興曲」や「アンパンマンのマーチ」を奏でた。「いわし雲のうた」を独奏した呉市の昭和西小2年湊天音さん(7)は「70年前に原爆が落とされたことを考えながら弾いた」と話していた。

 ピアノは爆心地から約3キロの広島市南区宇品地区の民家で被爆。1998年に安佐南区の調律師矢川光則さん(63)に託され、2010年、米ニューヨークであった米中枢同時テロの犠牲者の慰霊行事でも演奏された。

 特別展は中国新聞社などの主催。アニメーション美術の男鹿和雄さんが、俳優吉永小百合さんの原爆詩の朗読CDの挿絵として描いた風景画を展示している。8月30日まで。(根石大輔)

(2015年7月21日朝刊掲載)

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