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日本国籍へ「情報提供を」 比残留日系人 父が広島・山口出身も

 太平洋戦争前や戦時中にフィリピンへ渡った日本人男性と現地女性の間に生まれた残留日系人たち7人が来日し、22日に東京都内で記者会見した。うち3人は父親が広島、山口県出身と訴え、日本国籍取得に向けて情報提供を呼び掛けた。

 7人は84~44歳の男女。大成(おおなり)ベネディクトさん(78)は、日本名がマサヨシ。父のシマイチさんは広島県のトヨハマ出身で大工だったという。アントニナ・エスコビリヤさん(75)の日本名はオオシタ・エミコで、広島県出身の父はキシマツという。寺岡カルロスさん(84)は、日本名が刈呂(かりろ)。父ムネオさんは大工で、山口県出身だったと説明した。

 大成さんは「父は戦時中にフィリピン人兵士に殺され、戦後は反日感情が厳しい中で生き抜いた。なんとか父の手掛かりが欲しい」と訴えた。一行は官邸も訪れ、安倍晋三首相と面会。外交ルートによる救済を要請した。

 支援する日本財団(東京)によると、終戦までにフィリピンに移住した日本人は約3万人。NPO法人と共同で支援事業を始めた2006年以降に157人が日本国籍を取得したが、日系2世の約1200人が無国籍のままという。(藤村潤平)

(2015年7月23日朝刊掲載)

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