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[戦後70年 継承しまね] 平和を願って千羽鶴 施設利用者が被爆者追悼 邑南

 原爆犠牲者の追悼と平和への願いを込め、島根県邑南町上亀谷の瑞穂西デイサービスセンターの利用者が、千羽鶴作りに取り組んでいる。

 千羽鶴は、8月4日に同町の出羽公民館を出発し、広島市中区の平和記念公園まで歩く平和学習ツアー「歩こう広島まで」の参加者に託す。

 利用者20人が昨年9月から、認知症予防も兼ね、手先を使う作業として、こつこつ折っている。赤や黄など色とりどりの千羽鶴は既に千羽を超え、2千羽に届く勢いだ。

 広島県境の同町では1945年8月6日朝、南の空で原爆の光と巨大なきのこ雲を見た人がいる。千羽鶴作りに参加する近くの日高澄子さん(80)もその一人。被爆して町に逃げてきた人を治療する場面も見たという。「皮膚がめくれ、ひどいやけどだった。薬が足りず、キュウリの汁を塗って応急処置していたが助からなかった」と語る。

 「あんなひどい戦争は二度としてはいけない」。日高さんたちは思いを込めている。(城戸昭夫)

(2015年7月23日朝刊掲載)

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