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平和調2015世界ジャンボリー 回天パンフ 英語版作成 平生町教委 スカウトに配布へ 山口

 山口県平生町教委は、特攻兵器「回天」に関する品々を展示する阿多田交流館(同町佐賀)の英訳パンフレットを作成した。山口市阿知須のきらら浜を主会場に28日開幕する世界スカウトジャンボリーで、同町を訪れる各国のスカウトに配る。「戦争で数多くの若者が犠牲になった。国境を越え、平和の大切さを考え合いたい」としている。

 A3判四つ折り。交流館のある半島一帯には戦時中、旧海軍が回天と特殊潜航艇の訓練基地を設けた。その経緯を当時の写真や記事で紹介している。また、製塩業が盛んだった戦前や、兵舎が少年院として使われた戦後にも触れる。

 同町では31日、英国やベルギーなどの120人が交流館や熊毛南高などを訪れる予定。町教委は今回、英訳パンフレットを300部作った。参加者全員とボランティアたちに配る。

 当日説明する交流館の内山勝憲調査員(84)は「平和を願う気持ちに国境は関係ない。戦争を二度と起こしてはならないと丁寧に伝えたい」と意気込む。

 同基地では、回天の搭乗員9人が訓練中の事故や出撃で亡くなった。交流館は2004年に開館。遺品など約400点を展示する。 世界ジャンボリーには8月8日までの期間中、約150の国と地域から約3万4千人が参加を予定する。(井上龍太郎)

(2015年7月23日朝刊掲載)

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