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清らかに迎える70年 原爆資料館 展示ケース内掃除 広島

 原爆の日を前に、原爆資料館(広島市中区)は23日、被爆者の遺品など展示資料に積もった細かなほこりを取り除く年に1度の掃除をした。

 午後6時に閉館後、手袋をはめた学芸課の職員たち13人が本館で作業を開始。原爆投下時刻の午前8時15分で止まった懐中時計、焼け焦げた女学生の夏服…。ガラスの展示ケースを開け、木製の展示板ごと資料を取り出して傷みがないかを丹念に確認した上で、柔らかい布でほこりを払っていった。

 ガラスも布で丁寧に拭き、ほこりは掃除機で吸い取った。真っさらな展示板に載せ替えて資料を順次戻し、約3時間の作業を終えた。

 ケースの隙間からほこりが入るため、資料館は毎年この時期に資料やケース内の掃除をしている。志賀賢治館長は「きれいになった遺品に向き合い、犠牲者の奪われた未来を考えてほしい」と話した。

 資料館は、原爆の日の前やお盆に1日1万人以上の来館者を見込む。全面リニューアルに伴う工事のため東館は閉館し、本館で約400点を展示している。(菊本孟)

(2015年7月24日朝刊掲載)

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