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被爆66年式典 こども代表が誓い

 「喜びや悲しみを分かち合い、諦めないで進めば、必ず夢や希望が生まれます」。平和記念式典で、こども代表の三篠小6年福原真拓君(11)=広島市西区=と己斐小6年藤田菜乃歌さん(11)=同=が「平和への誓い」を読み上げた。冒頭に触れたのは東日本大震災。被爆の惨禍から復興した広島から被災地にエールを送った。

 福原君は、津波被害のニュース映像に被爆直後の広島を重ねたという。「広島も焼け野原からここまできた。被災地もきっと復興できる」。一方「誓い」で触れたように「自然災害は防げなくても、戦争は人間が防げる」と考える。

 藤田さんは、福島第1原発事故で避難を余儀なくされた住民や、家畜の汚染に苦しむ農家の報道に胸を痛めた。他人を思いやり、支え合う「人間の力」が復興につながると信じる。

 式典後「一つ一つの言葉の意味を考えながら、読むことができた」。2人は大役を終え、満足そうに語った。(山本乃輔)


平和への誓い

 あきらめないで進めば、必ず夢や希望が生まれます

 今年、3月11日、東日本では、大震災によって、たくさんの人が命を失いました。
 今でも行方がわからない人がたくさんいます。
 多くの人が大切な家族や友だちを失い、津波で何もかもなくなった被災地の姿に、わたしたちは言葉を失い、悲しく、胸が苦しくなりました。

 66年前の今日、午前8時15分、広島に原子爆弾が投下されました。
 爆風が何もかも吹き飛ばし、炎がすべてを焼き尽くし、人々の当たり前の生活と、多くの尊い命が一瞬にして奪われました。
 どんなに苦しかったでしょう。
 どんなにつらかったでしょう。
 どんなにくやしかったでしょう。

 わたしたち一人一人は、だれもがみな大切な存在です。
 それなのに、どうして人間は、たくさんの命を犠牲にして戦争をするのでしょうか。
 戦争を始めるのは人間です。人間の力で起こさないようにできるはずです。

 悲しみに満ちた広島に草木が芽生えました。人々は、平和への強い思いをもって、復興に向けて歩みはじめました。
 未来をつくるのは人間です。喜びや悲しみを分かち合い、あきらめないで進めば、必ず夢や希望が生まれます。

 わたしたちは、人間の力を信じています。
 人間は、相手を思いやり、支え合うことができます。
 人間は、互いに理解し合い、平和の大切さを伝え合うことができます。
 わたしたちは、今を生きる人間として、夢と希望があふれる未来をつくるために、行動していくことを誓います。

      平成23年(2011年)8月6日
      こども代表
      広島市立三篠小学校6年 福原真拓(まさひろ)
      広島市立己斐小学校6年 藤田菜乃歌(なのか)


(2011年8月6日夕刊掲載)
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