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[戦後70年 県北から] 平和への願い受け継ぐ絵画 三良坂美術館で開幕 

 広島県三次市三良坂町の三良坂平和美術館で24日、「明日への輝き 平和展」が開幕した。被爆70年の節目に当たり、県内の洋画や日本画などの作家48人が未発表の新作を寄せた。地元の画家柿手春三(1909~93年)が展覧会を始めて30年。平和への願いを受け継ぐ力作がそろう。(松本大典)

 広島の美術界で活躍する40~80歳代の作家が会派を超えて油絵や日本画などを1点ずつ出品。柿手が終戦前後に描いた作品4点と合わせて52点が並ぶ。

 原爆ドームを背景に核廃絶を訴えるデザイン画、瀬戸内の島々を描いた穏やかな風景画、原発事故や安全保障をめぐる憂いをイメージした抽象画―。作者によっては、作品の解説やメッセージを添えている。

 展覧会は、広島平和美術展をともに創設した四国五郎(1924~2014年)たちと30年前に町内の公民館ロビーで作品を展示したのが始まり。91年に同美術館が開館、近年は約70人の作家が、東京や広島の展覧会で披露した大作などを寄せていた。

 節目が重なることしは「特別な展覧会にしたい」と、同美術館が昨秋、あらためて「平和」をテーマに新作の出品を呼び掛けた。元泉園子館長は「出展者には被爆者もいる。それぞれに表現した思いや祈りを感じてほしい」と話している。

 展覧会は8月16日まで。一般400円、65歳以上300円、高校生200円。中学生以下無料。8月6日は無料開放。月曜休館。

(2015年7月25日朝刊掲載)

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