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被爆66年式典 フクシマ被災者も連帯 核の廃絶 思い新た

 東日本大震災による福島第1原発事故で、福島県から広島県内に避難している被災者は6日、広島で初めての原爆の日を迎えた。被災者は、平和記念式典に参列するなどして「脱原発」と「核兵器廃絶」への思いを新たにした。

 須賀川市から広島市南区に避難している前田留美子さん(22)は式典に参列。7カ月の長男蒼空(そら)ちゃんを抱きながら手を合わせ黙とうした。平和宣言に盛り込まれた被爆者の証言に耳を傾け「今は広島の人たちに共感できる。原発も核ももういらない」と訴えた。

 福島第1原発から13キロの警戒区域内の浪江町から南区に来た高田秀光さん(59)と英子さん(56)夫妻。式典に参列中、ずっと正面を見据えた。英子さんは「参列してはっきりと原爆被害を現実のものと実感できた。福島の子どもたちに何年か後にしわ寄せが来るのかと思うと不安」と話した。

 参列できなかった被災者も、自宅でテレビ中継を見つめた。福島市から東区に避難中の佐々木紀子さん(40)は、次男(5)と式典の様子を見た。「自分たちが最後の核被害者だと願いたい」。そう強く望む。(川井直哉、衣川圭、赤江裕紀)

(2011年8月6日夕刊掲載)

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