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3世代で式典参列 愛知県遺族代表 つながる命に感謝

 4歳で被爆した愛知県春日井市の水野秋恵さん(70)が6日、広島市の平和記念式典に参列した。同県の遺族代表として訪れた次女柴山理恵さん(38)、その長女で孫の真由さん(8)と3世代での参加。「原点を自分の目で見て平和の大切さを伝えてほしい」。親から子、孫へとつながる命に感謝し、その責務もかみしめた。

 爆心地から約1・2キロの中区加古町。自宅から2軒隣の家に遊びにいっていた際、被爆した。隣家は全員死亡。2歳の弟と一緒に崩れた家の下敷きになったが、助け出された。自宅も崩壊。大きなけががなかった母は44年前、52歳で亡くなった。

 生かされた命を無駄にしたくないと、戦後移り住んだ愛知県で、子どもたちに被爆体験の証言を続ける。そして自分と同じ体験を子孫にさせないために、被爆の原点の地を3世代で訪れた。

 式典で被爆体験が盛り込まれた松井一実市長の平和宣言を聞いた柴山さん。「原発事故で全国のみんなが放射線に不安を感じている。被爆体験は説得力があり心に響いた」。そして真由さんは献花後、母と祖母に話し掛けた。「おばあちゃんたちがいなかったら私はいないんだよね」  (山崎雄一)

(2011年8月6日夕刊掲載)

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