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[戦後70年 継承しまね] 原爆の記憶 風化させぬ 松江でパネルや資料展示 

 島根県被爆二世の会(松浦広昭会長)による原爆展「語り継ごう未来へ」が25日、松江市の県民会館で始まった。被爆70年を機に、被爆体験の継承と被爆2世の交流を促進しようと企画。被爆者や被爆2世たちが訪れ、平和への思いを語り合った。26日まで。無料。(松島岳人)

 会場には、広島、長崎の惨状を収めた写真やパネル、被爆直後の様子を描いた被爆者の絵や文章など約130点が並ぶ。焼け焦げた学生服や熱線で溶けたガラス瓶など、原爆の威力を示す資料も展示されている。

 会場には、20人が集える談話スペースが用意され、被爆者が来場者に体験を話したり、2世同士が交流を深めたりする姿が見られた。母親が長崎で被爆した東京の写真家吉田敬三さん(54)は「2世同士で話せて良かった。原爆の記憶を語り継ぐ重要さを再認識した」と話していた。

 県によると、3月末時点の県内の被爆者は1225人で、平均年齢は85・33歳。二世の会には、県内の約130人が所属。被爆70年の記念事業として、昨夏から県原爆被爆者協議会(原美男会長)の協力を得て準備を進めてきた。

 松浦会長(66)は「被爆から70年になり、親の世代の高齢化が進んだ。被爆2世同士のつながりを深め、思いを継承していきたい」と話していた。

(2015年7月26日朝刊掲載)

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