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核なき世界へ取り組みは 岸田外相に聞く NPDI 枠組み重視

 岸田文雄外相(広島1区)に、被爆70年を迎えるに当たっての思いのほか、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に関連して来年4月に広島市で開かれる外相会合、参院で審議入りした安全保障関連法案などについて聞いた。(藤村潤平)

 ―広島は間もなく被爆70年を迎えます。被爆地選出の外相として、核兵器のない世界に向け、どう取り組みますか。
 核拡散防止条約(NPT)再検討会議の際にも感じたが、核兵器国と非核兵器国が協力しなければ、核兵器のない世界に向かわない。両者が協力する環境をつくるため、現実的、実践的な取り組みが重要だ。非核兵器保有12カ国でつくる軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)の枠組みを引き続き重視したい。

 NPT再検討会議で最終文書案に合意できなかったのは大変残念だが、核軍縮などではおおむねコンセンサス(合意形成)を得られていた。その内容を吟味し、日本として秋の国連総会に新たな核兵器廃絶決議案を提出したい。

 ―来年4月には広島市で外相会合が開かれます。
 サミットは外交・安全保障のみならず、経済などを議論する大変重要な会議。しっかりと議論できる、落ち着いた雰囲気を用意したい。外相会合の被爆地開催は、世界の平和を考える際に一つのポイントになる。各国外相に被爆の実相に触れてもらい、核兵器のない世界や平和を考えてもらうことは意味がある。

 ―安保関連法案は、被爆地にも懸念の声が根強くあります。
 国際的な安保環境が厳しさを増す中、しっかりと外交を進め、日本に好ましい環境をつくっていかねばならない。これが基本だが、万一に備え、切れ目のない安保体制をつくる。国民の命や暮らしを守るのは政府の大変重要な責務。丁寧に、謙虚に、分かりやすく説明することに努めたい。

 ―9月に予定される自民党総裁選で安倍晋三首相を支持しますか。
 国会では重要法案の審議が続いている。成立に向けて努力をするのが最大の仕事だ。今はそれに専念すべきだと思っている。先のことは考えていない。

(2015年7月28日朝刊掲載)

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