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毒ガス、枯れ葉剤・・・被害訴え連携図る

■記者 桑島美帆

 イラン・イラク戦争(1980-88年)の被害者を支援しているイラン人医師やベトナム戦争(60-75年)に従軍した米兵たちが6日、広島市中区で顔を合わせ、戦争被害を一緒に訴えていくことを話し合った。将来的には、枯れ葉剤や毒ガス被害者の証言を共有したり、展覧会の共催などを目指す。

 平和記念式典に出席するために広島市を訪れたイラン人医師のシャリアール・ハテリさん(37)=テヘラン=や、ベトナム戦争中に虐殺事件があった旧ソンミ村の被害者支援をしている元米兵マイク・ベイムさん(60)=米マディソン市、ベトナム人のファン・バン・ドさん(57)=ハノイ市=たち4人。

 枯れ葉剤や化学兵器の被害者の証言をビデオに撮ったり、聞き取りしたりしてウェブサイトに掲載。広島市の被爆者とも連携し、各国で巡回展にも取り組みたい、としている。

 テヘランの非政府組織(NGO)化学兵器被害者支援協会(SCWVS)で国際関係を担当しているハテリ医師は「化学兵器の被害の実態はほとんど知られていない。ベトナム戦争被害者とネットワークをつくり、戦争反対の国際世論を喚起したい」と話していた。

(2008年8月7日朝刊掲載)

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