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「上関」撤回などを要求 脱原発で集会やデモ

 「ノーモア・フクシマ」「原発をなくせ」―。福島第1原発事故を受け、脱原発を訴える集会やデモ行進が6日、広島市中心部で相次いだ。原発建設に反対する市民や福島県からの避難者、米国のビキニ水爆実験の被曝(ひばく)者たちが参加し、声を強めた。

 反核や脱原発を求める約1500人が横断幕やプラカードを掲げ、中区の原爆ドームや中国電力本社前、平和記念公園を歩いた。中電前では、島根原発(松江市)の廃止や上関原発(山口県上関町)の建設計画撤回を求める要望書を同社に提出した。

 デモ行進を計画した岡田和樹さん(24)=三原市=は「原子力は負の遺産。受け継ぎたくない」。福島市から福岡県に避難している主婦宇野朗子(さえこ)さん(39)は「被爆地の特別な思いを感じた。平和利用という幻想から抜け出す第一歩にしたい」と力を込めた。

 労組や市民団体でつくる「8・6ヒロシマのつどい実行委員会」は中区の市文化交流会館で集会を開き、約200人が参加。福島県からの避難者が原発全ての廃炉化を訴えた。

 労組や学生たちでつくる「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」が原爆ドーム前で開いた集会には、ビキニ水爆実験で被曝した第五福竜丸元乗組員の大石又七さん(77)の姿も。約600人を前に「放射能の怖さをたっぷり味わった。その教訓が生かされていない」と危機感を募らせた。(中島大、山瀬隆弘)

(2011年8月7日朝刊掲載)

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