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福島・南相馬で祈念式 被爆者が呼び掛け

 福島第1原発事故から初の原爆の日を迎えた福島県内。南相馬市の避難所では、ボランティアとして訪れている被爆者の芸術家月下美紀さん(70)=呉市倉橋町=が呼び掛け、平和祈念式が開かれた。原発事故で家や仕事を失った避難者が、広島の犠牲者を悼んだ。

 午前5時半、避難所となっている市立中の玄関に約60人が集まった。月下さんが贈った被爆アオギリ2世の苗のそばで「フクシマもヒロシマも同じ核被害。二度と繰り返してはならない」と訴え、全員で1分間黙とうした。

 原発から18キロの自宅を追われた南相馬市の左官業紺野静雄さん(62)は「被爆者の苦しみをこんなに真剣に考えたのは初めて。原爆も原発もなくなってほしい」と話した。

 月下さんは6月に現地で被爆アオギリの種や苗を同市に贈った後、再三訪れて避難者に被爆体験を語り励ましている。(河野揚)

(2011年8月7日朝刊掲載)

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