×

ニュース

故蜂谷医師 岡山に顕彰碑 ヒロシマ日記 後世に

 原爆の残忍さを医師の視点で「ヒロシマ日記」につづり、世界に惨状を伝えた蜂谷道彦元広島逓信病院長(1903~80年)の出身地である岡山市北区富原で6日、顕彰碑の除幕式があった。地元津高地区住民が組織する「蜂谷道彦を顕彰する会」(西崎繁治会長、約40人)が建立した。

 富原公民館であった除幕式には、住民たち約100人が出席。地元児童が、「ヒロシマ日記 蜂谷道彦顕彰碑」と記された高さ約1.5メートルの万成石製の碑を除幕した。

 顕彰する会の森暢子事務局長(79)は、東日本大震災や福島原発事故にもふれ「蜂谷氏の功績や平和を求める心を後世に伝えるとともに、碑を平和のシンボルとして世界に発信していきたい」と、建立の意義を強調した。

 蜂谷元院長は、爆心から1キロ余りの自宅で被爆した。血まみれになりながら病院に駆け付け被爆者の治療を続け、56日間の体験を出版。十数カ国語に翻訳された。古里富原には退職後の67年に戻り、晩年を過ごした。(岩崎信明)

(2011年8月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ