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被爆建物 新たに2棟現存 JR貨物広島車両所 動力室と油庫

 広島市東区矢賀5丁目にあるJR貨物広島支店広島車両所に、市が把握していなかった被爆建物が新たに2棟、現存することが分かった。戦前に建てた動力室と油庫で今も使っている。市はこれまで広島車両所にある貨物列車の修理工場「第1主棟」だけを被爆建物として登録していた。

 広島車両所は爆心地から4・25キロの地点にある。軍需物資の輸送力を強化するため、1943年3月、広島鉄道局広島工機部として開業した。原爆投下により、第1主棟の外壁や窓ガラスなどが壊れ、職員約30人が負傷した。

 同じ敷地内にある動力室は、43年6月に建てられた鉄骨の平屋で、広さは約670平方メートル。電気設備を置き、機関車に載せる空気圧縮機を整備している。油庫は44年12月に完成したれんが造りの平屋。広さ約70平方メートルで、貨物列車の燃料や潤滑油の保存庫として建設された。

 市はかつて広島車両所を調査し、96年度に第1主棟を被爆建物として登録した。だが、動力室と油庫については、情報をつかんでいなかった。この2棟は被爆から5日後に米軍が撮影した航空写真にも写っている。市国際平和推進部は「被爆建物の登録への協力を求めたい」としている。(桑島美帆)

(2015年7月30日朝刊掲載)

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