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被爆66年 「ゲン」に込めた反核の決意語る 中区で中沢さん

 漫画「はだしのゲン」の作者で被爆者の中沢啓治さん(72)=埼玉県所沢市=が6日、広島市中区の広島YMCAで講演した。被爆体験や作品に込めた思いを吐露し、「生ある限り核兵器廃絶を訴える」と語った。

 約300人を前に、爆心地から約1・2キロの旧神崎国民学校での被爆体験を証言。同級生の母親に呼び止められ、塀の陰で熱線の直撃は免れた。「オレンジと赤のすさまじい火の玉だった」

 父と姉、弟が犠牲になり、妹も後に栄養失調で亡くなった。漫画家になった後、原爆がテーマの作品は当初、大手出版社から断られたことも告白。「原爆のむごさを伝えたい」と成人雑誌へ持ち込み、連載が決まったと明かした。

(2011年8月7日朝刊掲載)

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