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連載・特集

原爆ドーム2015 <5> 継承 緑のヒロシマ 未来へ

 70年間は草木も生えないと言われた被爆直後の広島。2015年夏、ライトに照らされた原爆ドームが、森の中に取り残された廃虚のように、広島市中区の平和記念公園に浮かび上がる。

 焼け野原からの復興を願い、世界中から寄せられた計約1500本が平和記念公園に植えられた。ケヤキやクスノキなど木々の緑が年々大きくなる中、ドームは1967年度以降、鉄骨の補強やコンクリート劣化補修など3度の保存工事を経験した。

 胎内被爆した佐伯区の石見洋二さん(69)は公園を毎日訪れ、ドームや原爆慰霊碑などの周りを清掃している。「ドームから亡くなった人の叫びを感じる。市民の力で守っていきたい」。建設から100年を迎えたドームは今秋、長期保存のため初めて耐震工事が施される。未来にあの日を伝え続けるために。(土井和樹)=おわり

(2015年8月1日朝刊掲載)

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