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森滝市郎氏の原稿・演説まとめ刊行 原水禁企画

 原水禁国民会議の初代議長で、原水爆禁止運動の先頭に立った森滝市郎・広島大名誉教授(1994年に92歳で死去、三次市出身)の原稿や演説をまとめた「核と人類は共存できない」=写真=が、七つ森書館から刊行される。原発を含む全ての核利用に反対した森滝さんの思想に、あらためて焦点を当てている。

 ことし結成50年を迎えた原水禁が企画。市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」共同代表で次女春子さん(76)たちが編集した。原子力の平和利用を当初は望んだ森滝さんが「核絶対否定」に至った変遷を、機関紙への寄稿や演説草稿などからたどっている。作家大江健三郎さんが、追悼集に寄せた「ここに哲学者がいる」も収録した。

 春子さんは「試行錯誤する中で、父がたどり着いた考えが平易な言葉でつづられている。ぜひ若い世代に読んでほしい」と話している。四六判、246ページ。1944円。8月上旬に書店に並ぶ予定。(藤村潤平)

(2015年8月1日朝刊掲載)

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