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被爆66年 「折り鶴」灯籠 鎮魂再び 再生紙活用 元安川彩る

 6日夕から夜にかけ、原爆ドーム(広島市中区)前の元安川であった恒例の灯籠流し。国内外から寄せられた折り鶴の再生紙を使った灯籠が初めて川面を彩った。

 午後5時45分ごろ、赤や青、緑などがちりばめられた手すき和紙の灯籠8個が、市民代表たちの手で一斉に放たれた。灯籠1個につき折り鶴2羽もすき込んだ。

 護岸であった流灯式には、福島県南相馬市から広島市に避難している中学1年後藤益澄(ますみ)さん(13)、小学5年諭身(つぐみ)さん(10)姉妹も参加。益澄さんは「折り鶴を折った人の気持ちが届くよう、そして被災地の復興も願って流した」と話した。

 再生紙を使った灯籠は、広島市が公募した折り鶴活用策の試行。2002年度に原爆の子の像にささげられ、保管していた約1万羽を市が提供した。

 一方、米国中西部が午前8時15分となる午後10時15分には、松井一実市長が原爆ドームを背景に「平和宣言」を英語で読み上げ、世界にインターネット中継された。(松本恭治)

(2011年8月7日朝刊掲載)

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