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核兵器廃絶を科学者が誓う 山口で集会

 広島市で2日に始まる日本原水協などの原水爆禁止世界大会を前に、核兵器のない世界を考える科学者集会が1日、山口市のカリエンテ山口であった。核兵器廃絶を目指す科学者たちの国際組織「パグウォッシュ会議」が11月に長崎市で開く世界大会へ向け、安全保障関連法案に反対し、憲法の順守と核兵器廃絶を誓うアピールを採択した。

 アピールは、ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹が核抑止論を批判し、戦争をしないと国内外に誓った憲法を高く評価したと紹介。参院で審議中の安全保障関連法案について「憲法を踏みにじる悪法で東アジアの緊張を高める」と反対の姿勢を鮮明にした。

 集会では、山口大の纐纈(こうけつ)厚教授(政治学)や山口県立大の井竿富雄教授(近代日本政治外交史)たち7人が、集団的自衛権や戦争被害対策などをテーマに話した。討論では、参加者から「核兵器を造るのもなくすのも科学者。戦争に協力する研究はしない姿勢を貫こう」などの意見が出た。

 集会は1987年にスタート。中国地方5県では98年の岡山大以来、17年ぶり4度目の開催となった。

(2015年8月2日朝刊掲載)

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