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蜂谷医師 功績に光 被爆直後に治療 「ヒロシマ日記」著す 初公開スクラップ帳など40点 生家近くで特別展

 著書「ヒロシマ日記」に原爆被害の惨状を克明に記録した元広島逓信病院長の蜂谷道彦氏(1903~80年)の功績を振り返る特別展「Dr.ハチヤの功績とその意義」が1日、生家に近い岡山市北区の津高公民館で始まった。16日まで。(永山啓一)

 蜂谷家から見つかった日記の反響を報じた当時の日米の新聞記事や、著名人の書評を集めたスクラップ帳を初めて公開。初版本や写真などを含め約40点を展示している。

 蜂谷氏は1945年8月6日、爆心から1・4キロの自宅で被爆した。自ら負傷しながらも、医療活動を続けた56日間の日記を55年に出版し、十数カ国語に翻訳された。

 書評には第2次世界大戦開戦時の米大統領夫人、エレノア・ルーズベルトが「並外れた文章は、核戦争の真の意味を伝えている」と記している。原爆開発を指揮した物理学者ロバート・オッペンハイマーやノーベル文学賞作家パール・バックの書評もある。

 住民たちでつくる「蜂谷道彦を顕彰する会」が主催。会長の西崎繁治さん(86)は「展示を通して二度と核兵器を使ってはいけないという考えを次の世代に伝えたい」と話している。9日午前10時からは「蜂谷道彦とヒロシマ」と題した菱川良一同会事務局長の講演会もある。水曜休館。無料。同公民館Tel086(294)4222。

(2015年8月2日朝刊掲載)

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