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峠三吉・栗原貞子・原民喜… 原爆文学 福山に一堂 創作ノートなど150点

 原爆投下直後の広島の様子などを描いた文学作品を一堂に集めた企画展「被爆70年 文学に描かれた8月6日」が1日、福山市丸之内のふくやま文学館で始まった。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産登録を目指す詩人の峠三吉と栗原貞子、作家の原民喜の直筆資料を展示するほか、歌人・正田篠枝の未公開書簡を初めて披露している。10月12日まで。

 小説や詩歌、児童文学、手記などの作家18人の計150点を紹介。「生ましめんかな」(栗原貞子)の下書きが記された創作ノート▽原民喜の被災ノート▽「原爆詩集」(峠三吉)の最終草稿▽「黒い雨」(井伏鱒二)の生原稿-などが並ぶ。

 正田篠枝の書簡は知人に宛てた直筆のはがき3通で、病に苦しんだ晩年の心境がつづられている。

 福山市幕山台から訪れた主婦栗元清美さん(71)は「リアリティーある展示資料から原爆への怒りや作家としての使命感が伝わってくる」と話していた。(安部慶彦)

(2015年8月2日朝刊掲載)

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