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愛息へ戦地からの44通 福山で企画展始まる

 第2次世界大戦の激戦地ニューブリテン島(現パプアニューギニア)で、28歳で戦死した日本人兵士が、幼い愛息に送り続けたはがきを紹介する企画展「ツルブからの手紙」が1日、福山市霞町1丁目のまなびの館ローズコムで始まった。

 差出人は、福山の陸軍歩兵第41連隊に所属した小林喜三さん(1944年1月14日に戦死)。島から下関市の自宅で暮らす長男征之祐さん(74)に送った44通には、家族の似顔絵や島の動物のイラストが細かく描かれており、戦時中でも息子を喜ばせようとした親心がにじむ。

 44通のほか、妻や父親に宛てたはがきや、小林家の家族写真なども並べた。同じ島で父が戦死したという岡信カナエさん(77)=廿日市市=は「戦地で一緒だったかもしれない。はがきの文面に思わず父を重ねました」と涙ぐんでいた。

 5日まで、無料。NPO法人ぬまくま民家を大切にする会などでつくる実行委員会が企画した。(加納亜弥)

(2015年8月2日朝刊掲載)

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