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原爆罹災者名簿を公開 広島

 70年前の原爆で行方が分からなくなった人の消息を知る手掛かりとなる「原爆罹災(りさい)者名簿」の公開が1日、広島市中区の広島国際会議場3階研修室で始まった。6日まで、2万3039人分の名前や最期の状況を確認できる。

 1968年に広島東署で見つかった検視調書をはじめ、周辺町村の救護記録や火葬者名簿など計83冊。名前や年齢、住所、死亡日時などが書かれている。捜している人の名前を受付で申請し、掲載があれば閲覧できる。初日は2人分の申請があったが、いずれも載っていなかった。

 市が68年から毎年、この時期に公開。昨年は32人分の申請があり、うち3人の確認につながった。市平和推進課は「被爆から70年が過ぎても分かることはあるので問い合わせてほしい」と呼び掛けている。

 会場では、名前が分かっていながら引き取り手のない原爆供養塔の納骨名簿も掲示している。原爆死没者名簿の登録申請や国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)への遺影登録も受け付ける。同課Tel082(242)7831。(菊本孟)

(2015年8月2日朝刊掲載)

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