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原発問題 慰霊式で初言及 福山市原爆被害者の会

 福山市原爆被害者の会は6日、霞町の市中央公園で原爆死没者慰霊式を開いた。広中正樹会長(71)は「追悼のことば」で福島第1原発事故に触れ、「原子力に依存しているエネルギー政策の転換を要求する」と訴えた。慰霊式で原発問題が語られるのは初めて。 

 広中会長は「政府は原発の安全神話をばらまき、国民に多大な損害と不安をもたらしている」と指摘。核兵器廃絶については「反核平和の達成に全力を尽くす」と誓った。

 式には、被爆者や遺族、市幹部たち約130人が参加した。原爆死没者慰霊碑に、48人の名を新たに加えた1016人の死没者名簿を納めた。全員で黙とうした後、千羽鶴と菊を慰霊碑にささげた。

 広中会長は5歳のとき、爆心地から約3・5キロの広島市西区己斐上で川遊びをしていて被爆した。慰霊式を終え「原発事故で新たな被曝(ひばく)者が生まれている。段階的な原発の廃止を求めていく」と話していた。 (武内宏介)

(2011年8月7日朝刊掲載)

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